日常的な応急手当のやり方とは?

応急手当は患者の命を救う上で非常に重要です。救急蘇生法の成否により、その患者の命が左右されるといっても過言ではありません。救急隊が到着するまでの間、周りに居合わせた人はなるべく迅速に応急手当をする必要があります。

応急手当の心得

応急手当の心得で一番大切なのは慌てないことです。しかし、応急手当の現場に居合わせることなんてそうそうないでしょうから、あわてるなと言っても難しいかもしれません。大切なのは一人で何とかしようとせずに、周りの人に助けを求めることです。1人よりは2人、2人よりは3人のほうが落ち着いて考えられる可能性が高くなります。ただし、あんまりに人が多すぎてわらわらなっても非効率なので注意が必要です。

また、応急手当をする人の安全の確保も必要です。溺れている人を助けようとして自分まで溺れてしまった、というケースは少なくありませんが、そんなことになったら泣くに泣けません。あくまでも自分の安全が最優先、それが確保できたら応急手当てをする、というのが基本的な考え方です。

人工呼吸の安全性

人工呼吸で肝炎やエイズなどの感染症をうつされるリスクは低いですが、心配な場合は一方咆哮弁付きのこきふきこみ用具などを使用するといいでしょう。患者が明確に感染症にかかっていることがわかっていて、人工呼吸をするのは危険な場合は、胸骨圧迫だけでも行いましょう。

倒れている人を発見したら

倒れている人を見つけたら、まずは周囲をぐるりと見渡してみましょう。その場所が危険な場合(道路の真ん中など)は注意が必要です。自分の危険を顧みずにその場に飛び込んでいく、というのは非常に危険です。患者が増えてしまっては意味がありません。安全確認を最優先させるようにしましょう。

意識のあるなしを確認する

周囲の安全が確保できたら、倒れている人の横に座り、耳元で大きな声で「大丈夫ですか?」などと呼びかけながら、軽く肩をたたきましょう(あまり強くたたいたり、ゆすったりすると傷が大きくなるのでやめましょう)。返答がある、目を開ける、顔を動かすなどの反応があれば、意識があると判断します。心停止を起こした直後に痙攣することがありますが、これは意識があるゆえの反応ではないので注意が必要です。

反応がない場合は、とりあえず誰かを呼びましょう。前述の通り、協力者は多いほうが助かる可能性が上がります。協力者が得られたら(周りに誰もいない場合は自分で)119番に通報するように頼みましょう。また、公共施設が周りにある場合などはそこからAEDを借りてきましょう。協力者がおらず、電話すら周りにない場合は、いったん患者のそばを離れてもかまいません。とにかく救急車を呼ぶこととAEDを確保することが最優先で、心肺蘇生はそのあとです。

気道確保

意識がない場合は時間との勝負になります。一般的に、心配が停止してから3分間経つと蘇生率は急激に下がってしまうといわれています。素早く気道確保をします。やり方は簡単で、患者の顔の横の位置に座り、額のあたりを軽く抑えて、顎を上げるだけです。顎を上げて、頭を下げるイメージですね。こうすることにより喉の奥が広がり、息がしやすくなります。

呼吸確認・人工呼吸

気道確保できたら呼吸があるかどうかを確認します。呼吸している場合、患者の胸が上下しているので見てわかるはずです。よくわからないという場合は、口元に耳を近づけてみましょう。息をしていれば呼吸音が聞こえ、吐息が感じられるはずです。

呼吸をしていない、もしくは呼吸をしているかどうかわからない場合は人工呼吸を行います。頭を下げて、顎を上げた状態のまま、息を大きく吸い込んで、自分の口を患者の口に当てて、息が漏れないように吹き込んでいきます。鼻から吹き込んだ息が漏れてしまっては意味がないので、患者の花を軽く摘みます。一通りの動作が終わったら、いったん患者から口を離して呼吸が戻るかどうかを待ちます。

呼吸が戻らない場合は、再度同じことを行います。

人工呼吸は多くても2回までがベターとされています。2回の人工呼吸で息が戻らない場合は、胸骨圧迫に切り替えます。

胸骨圧迫

胸骨圧迫とは簡単に言えば心臓マッサージのようなものです。心臓マッサージで大切なのは、圧迫する場所です。心臓マッサージでは心臓そのものを圧迫してはいけません。押すのは胸の真ん中にある、胸骨の下半分です。場所がよくわからないという場合は、服を脱がせて乳頭の位置を確認してください。乳頭と乳頭のちょうど真ん中が押すべき場所です。

この場所に掌を当て、もう一方の掌を重ねて押していきます。まっすぐ体重がかかるように、腕を伸ばして肩を掌の舞う兄して上から下に押していきます。強さは、患者の胸が4cm~5cm沈む程度です。指には力を加えないでください。ペースは1分間に100回程度で、30回連続で行ったら一度辞めます。反応がない場合は、もう一度30回行います。

救急車がやってきたら、患者をスムーズに引き渡しましょう。