思春期の女性の生理異常について

女性のライフサイクルはおおむね小児期、思春期、成熟期、老年期、更年期の5つに分けることができます。その中でも思春期は特に体に起こる変化が多く、小児期と成熟期の橋渡しをする大切な時期と考えられています。思春期とは国際的な定義では「身体的には乳房発達、陰毛発生などの二次性徴の出現から性成熟(二次性徴が完成し、月経周期がほぼ順調となる)までの段階であり、精神的には子どもから大人に向かっての自我の発達の時期ならびに自己認識パターンの確立段階、さらに社会的には性的欲望が出現し、両親への依存状態から完全自立するまでの過渡期」とされています。

 

 

身体の発達の進み方は個人差もあるので厳密に何歳から何歳までとは言えませんが、日本人の場合は8~9歳から17~18歳ぐらいまでが相当するといわれています。性成熟については、乳房発達は10歳ころ、陰毛の発生は11歳ころ、初経(しょけい)は12歳ころというのが最近の日本人女性の平均です。

 

 

思春期は肉体的にも精神的にも大きく変化する年齢であり、また経済的に自立するための能力を身につける時期でもあります。急激な変化に戸惑いながらも成長していく人々に提供すべき医療は、大人に対するそれとはまた違うものです。

 

 

さて、思春期は女性にとって肉体的な変化が最も大きい時期ですが、その中でも特に多く見られるのが性成熟の異常、特に月経異常に関するものです。

 

 

一般的なペースよりも早く思春期が来る症状を、思春期早発症といいます。7歳未満までに乳房の発達、陰毛の発生、処刑などが見られた場合は思春期早発症であると判断されます。思春期早発症で問題になることはいろいろあります。

 

 

早期に体が完成してしまうため、身長が伸びずに終わってしまうことが多いというのが一番の問題です。また、人よりも極端に早く思春期を迎えることによって本人の心理に戸惑いが生まれることもままあります。場合によっては治療が必要になります。思春期のペースを遅らせることにより、身長が伸びる期間を長くして極端に小柄になることを防ぐとともに心理的な負担を軽減します。

 

 

なお、ごくまれなケースではありますが、脳腫瘍が原因で思春期早発症が発生することもあります。脳腫瘍は生死にかかわる病気なので、早期発見、早期治療が重要になります。一方。思春期の成熟がゆっくりで、治療をしなくても成人身長が低身長にならないタイプもあります。なんにせよ詳しいことは検査しなければわかりません。

 

 

原発性無月経は、18歳になっても処刑がやってこない症状です。前述の通り、日本人の女性の場合は大体12歳ごろに処刑を迎えることが多く、実に98%の人が14歳までに処刑を経験するといわれています。原発性無月経の原因で特徴的なのは染色体異常や性分化異常などです。原因はいろいろありますが、中でも有名なのがターナー症候群です。ターナー症候群とはX染色体が1つ少ない染色体異常の一つです。2500人に1人程度に見られる症状であり、低身長、難聴などの症状を伴うことがあります。

 

 

また、副腎性器症候群も比較的よくみられます。副腎とは腎臓の横にあるホルモンを作り出すための臓器です。ホルモンを合成するための酵素に何らかの異常があると、明日テロ減というホルモンが過剰に生産されて女性の身体が男性化することがあります。この場合、陰核がペニスのように大きく拡大することがあります。

 

 

原発性無月経は治療で治ることもありますが、治らないものも少なくありません。日本をはじめとする栄養状態が良好な国では処刑が早い時期に来ることが多いいので、16歳になっても処刑が来ない場合は念のため産婦人科を受診したほうがいいでしょう。

 

 

治療は原因に準じて行います。ターナー症候群が見られる場合は、カウフマン療法という足りないホルモンを注入する治療を行います。治療により自然排卵が期待できます。

 

 

続発性無月経は、処刑は来たもののその後何らかの原因で月経が3か月以上停まってしまう症状のことです。産婦人科を訪れる思春期女性に特によく見られる症状ですが、月経が来ないからと言って必ず異常があるわけではありません。特に初経が来た直後は月経周期が不安定であることが多いです。月経周期が確立されるまでには通常、初経から3年くらいかかるといわれています。この期間に該当し、なおかつ特に体に機能障害の原因がなく、性交渉もない人の場合は、6か月ぐらいまでは様子を見ていいとされています。

 

 

続発性無月経の原因としてはストレス、ダイエット、精神的要因による摂食障害などが上げられます。原因は多種多様なので、それぞれ原因別の指導、あるいは治療が必要です。もちろん、性交渉がある場合は妊娠を疑う必要があります。

 

 

また、初経から月経周期が安定するまでは、続発性無月経のみならず様々な原因で月経異常や不正出血が起こることがあります。こうした現象は珍しいことではなく、出血が少量の場合は成長とともに警戒することが多いです。ただし、出血が多い、あるいは長期間続く場合は貧血が起きるのでそれに伴う治療が必要です。性交渉がある場合は流産なども否定できないので、産婦人科を受診しましょう。

子供の肥満の原因とチェック方法は?

肥満は大人のみならず子供にとっても大きな問題です。大人の肥満度の判定はBMIを用いることが多いですが、子供の肥満度の判断を行う際にはローレル指数を用いることが多いようです。ローレル指数の計算式は以下の通りです。

 

 

(体重(kg)/身長(cm)3)×107

たとえば、体重40Kg、身長145cmの場合、ローレル指数は131となります。以下の表に照らし合わせると、この場合発育状態は標準であることがわかります。

発育状態 ローレル指数
やせすぎ 100以下
やせぎみ 101~115
標準 116~144
太りぎみ 145~159
太りすぎ 160以上

 

体重の指標は母子健康手帳にも掲載されています。体重の成長曲線が一番上の90パーセンタイルを超えている場合は、体が標準と比べてかなり大きいということになります。身長と体重がともに大きい場合は単に体が大きい子であるというだけでそれほど心配はいりませんが、身長が平均程度であるにもかかわらず体重ばかりが大きくなっていく場合は注意が必要です。

 

 

といっても、乳児期の太り過ぎは自然に収束していくことが多いので、それほど心配はいりません。問題になることが多いのは3歳以降の太り過ぎです。幼児期の太り過ぎは大人になるまで持ち越すことが多く、肥満が続くと脂肪肝、糖尿病、高血圧などの元になるので、早めの是正を心掛けたほうがいいでしょう。

 

 

原因

肥満の原因は体内に過剰に脂肪組織がたまっていくことです。先天的に肥満になりやすい病気もありますが、大奥は後天的なものです。肥満には体質も関係しており、食生活も同じになるため親子や兄弟でともに肥満というケースも少なくありません。

 

 

治療

食事療法と運動療法が主です。食事療法は年齢による適切な摂取カロリーを心がけます。間食をなくし、食事や炭水化物類を減らし、全体の摂取カロリーを減らします。脂質類を減らす必要はありませんが、油を使う揚げ物などはカロリーが高くなりがちなので留意が必要です。赤身肉や魚、卵、牛乳などのたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどは必要量摂取します。カロリー制限に伴う空腹感については、野菜などの量がありカロリーが低いもので対処します。

 

 

子供の場合は身長が伸びていくので無理に体重を落とそうとするよりは、体重の増加を抑えながら緩やかに肥満を解消していく方が結果的にうまくいくことが多いようです。家族の協力も必要不可欠になります。幼児期から健康的な生活習慣をはぐくみ、のちの生活習慣病を防ぎましょう。

口蓋裂とはどんな病気でいつわかるものなの?

口蓋裂とは、文字通り口外が裂けている病気のことです。口蓋とは俗にいう「上顎」のことで、前方は骨のある硬い「硬口蓋」、後方は動きのある「軟口蓋」になっています。軟口蓋の最後の部分を「口蓋垂」といい、これらの部分が裂けている病気をまとめて口蓋裂といいます。

 

 

原因

詳しい原因はわかっていません。発生の原因としては遺伝子、妊娠中の喫煙、ストレス、服用していた薬などが上げられますが、一つの要因に特定できないことがほとんどあり、その多くは原因不明といえます。発生率は大体500人~600人に一人ぐらいです。

 

 

症状

口蓋裂があるため、口の中と鼻の中が接続し、食べたものが鼻の方に流れたり、しゃべるときに空気が鼻のほうに漏れるといった症状が出ることがあります。乳幼児期の哺乳は可能なこともありますが、うまく飲めないこともあります。空気が鼻のほうに漏れてしまい、発音がおかしくなることを構音障害といいます。構音障害はおおむね1歳6か月ごろから発生します。

 

 

また、口蓋裂は見た目にもかかわってくる問題です。審美的な問題だけでなく役割的な問題もあるため、早急な治療が望まれます。歯茎同士がきれいにつながっていなかったり、その部分にもともと歯がなかったりすることもあります。前歯の本数が足らなかったり、歯の形が小さかったりする場合は、専門的な治療が必要になります。

 

治療

治療の方法は一つではなく、いくつかに分けられています。口蓋を閉じるための口蓋形成術については、乳児期に口蓋閉鎖手術を行うこともあれば、幼児期になってから行うこともあります。あるいは、2回に分けて硬口蓋と軟口蓋を別々に閉鎖するというやり方もあります。手術方法も粘膜弁法、粘膜骨膜弁法などくつかの種類があります。

 

 

口蓋裂の裂け目の位置などは人によってまちまちなので、それぞれの症状に応じて治療計画を立てる必要があります。手術は一般的に全身麻酔下の元行います。

 

 

手術的に閉じる方法のほかに、硬口蓋では口蓋床などを使ってふさぐ方法がありますが、軟口蓋は口蓋床で動きを獲得することができないため効果的な治療はできません。一方で手術的な方法では将来上顎の部分の発達に影響があるため、あまり早期の治療は行うべきではないという意見もあります。多くの施設では1歳3か月~2歳前後をめどに治療を開始する施設が多いようです。

 

 

構音の治療効果は3歳~4歳ぐらいから評価するようになります。効果が十分でない場合は、再手術や咽頭弁形成術を行うこともあります。

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インフォームドコンセントにおける看護師の役割とは

近年、医療の世界に「インフォームドコンセント」という考え方が根付いてきています。インフォームドコンセントとは、そのまま訳せば「説明と同意」「十分な情報を得たうえでの合意」となります。医療の世界においては、患者が医師から十分に病気の内容や治療の目的、治療後の予想、経費などを十分説明して、理解をしたうえで合意することをいいます。

 

 

インフォームドコンセントの考え方が最初に導入されたのはアメリカでした。当時は心臓移植手術は開発途上の技術だったため、すべて人体実験としての手続きが要求されました。ニュルンベルク綱領では、ナチスの人体実験に対する反省から「医学研究の対象となる人の自由意思による同意」は絶対的に必要なものであるとみなされており、人体実験をするには患者の同意が絶対的に必要でした。その考えはやがて日本にも波及しました。

 

 

インフォームドコンセントの考え方は進歩的にも思えますが、本来は医療というものが始まった当初からある概念ともいえます。医療的には問題がない、正しいと思われている行為が、十分な説明がなかったために問題が生じるということは多々あります。近年は体の機能の一部を失う代わりに日常生活が送れるようになる治療も多々ありますが、十分説明を受けていないとトラブルのもとになります。

 

 

日本のインフォームドコンセントの現状

日本の医師法には、明確にインフォームドコンセントが必要とは記載されていません。しかし、過去の最高裁判所の判例で、医師には説明義務があることが明確にされています。近年は先進医療の現場ではインフォームドコンセントが取り交わされることが多いです。

 

 

患者には自己決定権があり、現時点での病状を詳細に説明してもらうことができます。どのように治療が行われるか、治療を行った場合にはどのような結果が得られるか、副作用が出る恐れはあるのか、他の治療法がないのか、医師の進める治療法は何が優れているかなどを、必要ならば何度でも確認できます。

 

 

複雑な治療では医師によって治療実績に差があることも多いので、他の医師の意見を聞いたり、自分で調べたりすることも大切です。医師のみならず、看護師などにも話を聞きましょう。

 

インフォームドコンセントの問題点

インフォームドコンセントには問題もあります。治療方法の選択は医師ですら決定が難しいことがままあります。それを患者にやらせていつも正しい判断が下せるかというと、そんなことはありません。効率だけを考えたならば、医師がすべて判断を下したほうがずっといいはずです。患者に決定権をゆだねることは、医師の責任逃れという要素もあるのです。医師としてもそこまで患者に対して責任を負えないでしょうし、何でもかんでも訴訟を起こされちゃ溜まったものではありませんが。

老化現象は防止できる?

高齢者は若い人と比べて体力や身体機能で著しく劣るのは当たり前のことであると我々は考えがちですが、最近の研究によれば、必ずしもそうとは言えないことが明らかになっています。今まで生理的な老化現象、すなわち不可避な老化現象として考えられてきたことも、実はある程度防げることがわかっています。

 

 

耐糖能と加齢

糖尿病とは、血液中のブドウ糖が組織に効率よく取り込まれず、血中に停滞してしまう病気のことです。インスリンというホルモンの作用が低下するため、糖尿病になります。この状態は、動脈硬化を著しく進めてしまいます。今までは高齢者は糖尿病の有無に関係なく、インスリンが効きにくく、食後は高血糖になりやすいと考えられてきました。

 

 

しかし、糖尿病は若い人でも肥満や運動不足、食事の過剰摂取などを続けているとかかるものです。高齢者は運動不足や肥満になりやすいですが、高齢者でも定期的に運動をしていて、節制している人は糖尿病にかかりにくいこともわかっています。

 

 

耐糖能低下が加齢現象そのものなのか、それとも加齢に伴う生活習慣の変化が原因になっているのかは、現時点ではよくわかっていませんが、最近の研究では、老年期のインスリンの低下は、加齢だけでは説明できず、むしろ生活習慣の変化によるところが大きいことが明らかになっています。つまり、インスリンの低下は誰にでも起こる老化現象ではなく、生活習慣を適切なものに保っていれば防げるということです。もちろん若いころとまるっきり同じ体でいる、というのは難しいかもしれませんが、生活習慣次第で老化をかなり遅らせることができるというわけです。

 

 

このように、従来は単なる老化現象と思われていたものの、実は老年期の生活習慣が大きく影響する病気はたくさんあります。

 

 

たとえば、骨粗しょう症はその一例です。骨というものは基本的に、年齢を重ねれば重ねるほど弱くなります。骨を構成するカルシウムの成分が、減少していくからです。特に女性はその傾向が強く、骨粗しょう症にかかりやすいといわれています。

 

 

骨粗しょう症が進むと、ちょっとした衝撃でも骨折してしまうようになります。老年期の骨折は快適な生活を損なうだけでなく、場合によっては寝たきりや落命の原因ともなりえます。

 

 

骨は男女ともに20代後半~30代あたりで減少し始めます。さらに、女性は閉経期を過ぎるころから、そのスピードが加速していきます。これ自体は誰にでも起こる老化現象です。

 

 

一方、それとはべつに予防可能な因子もあります。骨は加齢とは別に、喫煙、飲酒、カルシウムの摂取不足などでも減少していきます。これらの悪因を持つ人は、そうでない人よりも骨が減少するペースが速くなります。悪因を持たない人は年をとっても比較的高い骨密度を維持することができますが、複数の悪因を持つ人は比較的若いうちから骨粗しょう症に悩まされることになります。

 

 

また、心臓の働きも生活習慣が大きく影響します。人間の臓器は通常、加齢とともに縮んて行きます。この法則に従わないのが心臓です。高齢者の心臓は、若い人と比べて大きいです。高齢者は血圧が高く、その高い血圧に対抗するためには心臓を肥大化させるしかないからです。

 

 

心臓が1分間に拍出する血液の量を心拍出量と言います。以前は、加齢とともに心拍出量は直線的に低下するものであると考えられていましたが、現在は活動的な高齢者の心拍出量は下がりにくく、そうでない高齢者は下がりやすいことが明らかになっています。

 

 

さらに老化は精神認知機能にも及びます。記憶力、記銘力は年を取るとともに衰え、さらに高次の機能である言語、推理、洞察、空間認知機能も徐々に減退していきます。しかし、これらの機能も加齢以外の要素に影響されることが明らかになっています。

 

 

このように、加齢以外の因子は人間の老化スピードに大きく影響を与えます。しかし、その一方で加齢が全く体に影響を与えないわけではないこともれっきとした事実です。避けられない老化も確かに存在するのです。

 

 

たとえば、年を取ると誰でも臓器が固くなります。大動脈や心臓の中にコラーゲンが増えると、男性度が減少し、硬くなります。そうすると最高血圧は上がり、最低血圧は下がります。硬くなった心臓は収縮する分には問題はないのですが、拡張はしずらくなります。その結果心房に負担がかかります。高齢者に心房性期外収縮や心房細動などの不整脈が多いのはそのためです。

 

 

また、高齢者の身体は恒常性が低いです。恒常性とは、血圧、体温、体液量などが変化した場合に、それをもとの状態に戻そうとする力です。老化した身体は数値を正常に保つ力が弱いため、各臓器の機能が一度変化してしまうとなかなか元に戻りづらいといわれています。こうした身体の機能の低下は、高齢者の病気や薬剤の反応が変化する原因となります。

 

 

防げない老化はどうしようもありません。せめて防げる老化を防ぐように頑張りましょう。