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植物状態から回復することはある?脳死と余命


脳に障害が発生すると意識がなくなり、呼吸運動ができなくなることがあります。しかし、現代は非常にレベルの高い人工呼吸器があるため、この状態でもある程度、具体的には数年以上生きることもも不可能ではなくなってきています。この状態を植物状態といいます。

日本脳神経外科学会は、脳死を以下のように定義づけています。

1. 自力移動ができない。
2. 自力摂食ができない。
3. し尿失禁がある。
4. 声を出しても意味のある発語ができない。
5. 簡単な命令には辛うじて応じることもできるが、意思疎通はほとんどできない。
6. 眼球は動いていても認識することはできない。

植物状態と近い状態に、脳死があります。脳死とは、人工呼吸器をつけていても近いうち(数日~10日程度)に死亡することが確定しているものです。脳死は心臓や呼吸をつかさどる脳幹という全脳が障害されている状態であるのに対して、植物状態は脳幹は障害されておらず、大脳の障害にとどまっているという違いがあります。

世界のほとんどの国では、脳死が人の死とされています。しかし、日本の臓器移植法では、臓器を提供する意思がある場合に限って「脳死を人の死」としています。日本では「死」自体を定義する法律はなく、医師が呼吸停止、心臓停止、瞳孔反射の喪失を判断することにより死を決定することになっています。

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植物状態とは、脳に障害はあるものの、栄養を吸収退社しており、生きてはいる状態です。この状態で数年から数十年程度いきる人もいますし、中には根本的に回復する人もいます。自力での食事や会話ができるようになった例も少なくありません。しかし、植物状態から回復することなく、そのままなくなってしまう人が少なくないのも事実です。

人工呼吸器を止めるべきか、止めずにおくべきかという議論は昔からなされています。アメリカでは家族の希望で人工呼吸器を止めさせる権利の裁判が行われたこともあります。アメリカは尊厳死の権利の主張が強いことから、大統領の諮問委員会は手術などで植物状態になる可能性がある患者には、事前に人工呼吸器を使いたいかを選択できるようにすべきと提言しています。

植物状態患者の生命維持のためには多額の費用が掛かりますし、医療関係者の苦労も大抵のものではありません。家族も苦労を負うことになりますし、社会全体の負担も無視できません。このような問題をどのように解決していくかは、21世紀の課題といえます。

なお、現在は植物状態を積極的に回復させる手段はほとんどありません。とりあえず現状を維持して、あとは患者の生命力に任せる、という判断をすることが多いようです。戦後の医療の進歩は目覚ましいものがありますが、この分野に関してはまだまだ未熟な部分が多いようです。


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2015年10月24日 コメントは受け付けていません。 終生