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漢方と西洋医学の違いは?


漢方は中国の伝統医学をもとに、日本の独自の解釈を加えて発展した医療体系です。ヨーロッパを中心に発展した西洋医学とは異なる見方をすることが多く、したがって漢方と上手に付き合っていくには、まずは漢方の特性や考え方などを知る必要があります。

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西洋医学と漢方の違い

漢方と西洋医学の一番の違いは、病気のとらえ方です。西洋医学は、内科、外科、耳鼻科、泌尿器科などの専門分野に細かく分かれています。最近の病院は診療科同士の横の連携も強力になってきていますが、原則としてその病気、臓器に注目します。西洋医学で投与される薬はその病気、臓器に直接影響を与えるものなので、作用は強く症状を改善する効果に優れている反面、服薬を止めると元の症状が出てきてしまったり、副作用が出てきてしまうこともあります。

 

それに対して、漢方では人間の体全体に注目します。人間の体全体のバランスを重視し、目に見えている症状だけにとらわれず、どこが冷えて、どこが熱を持っているのかなどに注目して、漢方薬を投与します。漢方薬は人間の自然治癒力を高めることに重点を置いているため、対処療法的な西洋医学と違い、根本から体質を改善できるという長所があります。反面、作用は弱いことがあり、人によっては効果がないこともしばしばみられます。

 

西洋医学と漢方、どちらが一概に優れているとは言えませんが、現在の医療は西洋医学が中心です。緊急性があり、手術が必要な時や傷みが激しいときには西洋医学のほうが大きな効果を発揮することが多いようですが、慢性的な症状を改善するのには漢方が優れていることもあります。状況によって使い分けることが大切です。

 

漢方の特質と考え方

漢方には大きく2つの考え方があります。一つ目の考え方は「草根木皮(生薬)」を複数組み合わせて、一定のレシピをもとに漢方方剤を作って、それを用いて体質の改善や症状の緩和を行うというものです。たとえば日常生活でも目にすることが多い「葛根湯」は、葛根、麻黄、桂皮、甘草、芍薬、大棗、生姜という生薬を独自の配分で混合したものになっています。これをせんじ薬として使用する場合は、上記の生薬を一定の量鍋に入れ、水を加えて煎じ、出来上がった煎じ液を服用します。

 

現在は薬局などで「漢方エキス製剤」が使われていますが、これは製薬会社の工場で煎じ液を作り、それを濃縮して下流や細粒にしたものです。インスタントコーヒーみたいなものですね。これを摂取する場合は、熱湯を加えて煎じ液の形にしてから服用するのが一般的です。

 

なお、漢方薬はほとんどの場合において、西洋薬と併用しても問題ありません。ただし、ごくまれに症状が悪化する場合があるので、漢方薬を使いたいという場合は必ず事前に薬剤師に相談するようにしましょう。飲み方としては、一緒に飲むよりも1時間程度時間を空けたほうが効果が出やすいです。

 

もう一つの考え方は「気血水」「陰陽と虚実」「五臓」という独特のものです。

 

気血水は、地球が持っている目に見えない力「気」の一部である液体のうち、赤いもの(血)と透明のもの(水)の総称です。気血水の量が体内で保たれており、なおかつ体内をくまなく循環していれば、病気にもならず健康に過ごすことができるというのが、漢方の基本的な考え方です。気の量が不足した状態は「気虚」といいます。

 

陰陽と虚実は西洋医学では見られない独特のものです。「陽」は季節でいえば夏、時間でいえば昼、活動的で熱い状態のことです。「陰」は季節でいえば冬、時間でいえば夜中のこと、非活動的で寒い状態のことです。

 

たとえば風邪を引いているときは体温が上がり、顔が赤くなっているので「陽」、体が冷えていてさむがっている状態は「陰」です。体温が常に高く汗かきで活動的な人は体質が陽性である、それとは逆の体質である人は陰性であるといえます。

 

たとえば、慢性肝炎の患者の場合でも、その人が熱がりならば「陽」、寒がりならば「陰」とされます。西洋医学的には同じ病気でも、漢方の世界ではさらに細かく分類されるのです。このように、病気を個人単位で細かく分析するのも、漢方医学の特徴であるといえます。漢方の知恵を用いれば、西洋医学では同じ病名であっても、さらに細かく治療をできるのですね。

 

虚実は病気と闘う力の大きさです。戦う力があり、気力が充実した状態は「実」、体力がなくすぐに病気になってしまう人は「虚」です。胃腸が丈夫で固太りの人は「実」、胃下垂でやせた人は「虚」であるといいます。症状がある場合、虚の人は体力を補う補剤を使い、実の人は病気を攻撃する瀉剤を使います。

 

五臓は西洋医学とは違い、それぞれに役割が与えられています。たとえば、肝臓の場合は新陳代謝を行うとともに、筋肉の緊張と怒りの感情をコントロールする臓器であると考えられています。そのほか心臓、脾臓、肺臓、腎臓にもそれぞれの役割があるとされています。


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2016年4月19日 コメントは受け付けていません。 漢方