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職業病と作業関連疾患の違いは?


近年、特別な有害物による職業病を、作業関連疾患ということがあります。作業関連疾患とはそのまま作業に関連する疾患のことですが、職業病とは少し違います。

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職業病は、単一の有害な作業性因子による、その職業特有の病気です。たとえば、工事現場で働いていて、振動する工具を使っている人はそうでない人よりもはるかに振動障害にかかりやすいですが、これは職業病の範疇です。

 

 

一方、作業関連疾患は作業性因子と個人の生活習慣、もしくは個体要因が絡み合っている疾患です。たとえば、化学物質を扱っている仕事をしているとぜんそくになることがありますが、全員がなるわけではありません。あらかじめぜんそくになりやすいという個体要因を持っている人だけがぜんそくになるのです。

 

 

また、仕事が激務だと体調を崩すことがありますが、これも全員が全員体調を崩すわけではありません。生まれつき頑丈だったり、体を鍛えている人は激務にも耐えられるでしょう。しかし、同じ作業量でも体調を崩してしまう人もいます。

 

 

このように、作業に関連した疾患ではあるものの、個人の生活習慣や個体要因もある程度かかわっている疾患を作業関連疾患といいます。

 

 

働く人は一日の多くを職場で過ごしています。職場での出来事や行動は、その人の健康に大きく影響を与ぼします。こうした影響は、家庭の側から見ていてはなかなか気づきにくいものですが、健康を考える上では職場の影響を考えることが必要不可欠です。職場を変えることができれば、回復を早めたり、合併症を予防したりすることができるかも知れません。

 

 

作業関連疾患と生活習慣病

近年は生活習慣病という言葉がよく使われています。この生活習慣病は、もともとは成人病と呼ばれていました。成人がかかる病気だから「成人病」というわけです。しかし、中高年がかかる病気をまとめて成人病と呼んでしまうのは、成人にとっては抵抗できない病気であるというイメージがついてしまいます。

 

 

そこでこれらの疾病は「不適切な生活習慣によって生まれ、悪化する」ということを強調し、生活習慣を改める努力を促すためにこのような呼称が生まれました。

 

 

しかし、現実的には個人の生活習慣がすべて個人の選択の結果というわけではありません。個人の生活を個人が完全にコントロールすることなど不可能です。職場や学校、家庭などの事情に生活習慣が左右されることは決して珍しいことではありません。特に職場では、一見自主的にも見える行動が、実は職場に間接的に強いられている、という例も少なくありません。

 

 

そうしたことを無視して職場が個人に対して生活習慣の問題点を指摘し、改善を促すというのは適切な態度ではありません。問題のある生活を続けなければいけない原因が職場にある以上は、個々人の生活習慣よりも先に職場の習慣を変えるべきです。それらの問題から目を背けて個々人に責任を押し付けるのは、単なる責任転嫁にほかなりません。

 

 

もちろん、働く人の疾患がすべて職場のせいである、というわけでもありません。しかし、働く人の健康問題の原因が職場にあることは珍しくないのもまた事実です。職場の環境改善に努めるのは、管理者・経営者の務めでもあります。

 

 

産業医と家族

産業医とは、会社と契約している医師です。産業医は労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行います。必ずしも常勤である必要はなく、月に1回~3回ぐらいしか勤務しないこともあります。従業員が50人以上いる企業には産業医を設置することが義務付けられています。もちろん、それより規模の小さい企業でも産業医を置きたい場合は置いてもかまいません。

 

 

産業医は従業員の相談に乗ったり、健康管理を担当するのが主な業務です。しかし、産業医の役割はそれだけ、というわけではありません。職場に対して健康増進を働きかけることも、産業医の役割です。

 

 

たとえば、心臓病を抱えている従業員がいるとします。こうした従業員が万が一自動車の運転中、高い足場の上での作業中に気を失ってしまうと、大きな事故につながる可能性があります。このような時産業医は従業員に対しても積極的な受診を求めますが、それと同時に会社に対しても「従業員が病院に行く時間を作ること」と「症状が安定するまで、危険な仕事には就かせないこと」などを呼びかける必要があります。

 

 

近年は有害物などによる職業よりも、むしろ働き過ぎ、メンタルストレスの問題が大きくなっています。こうした相談に乗ることも、産業医の務めです。職場のメンタルヘルス対策は多くの職場にとって非常に重要な課題といえます。

 

 

もちろん、家族の役割も大きいです。特に最近はメンタルの問題が体の不調として訴えられることが多く、身近な人の気付きが重要になります。

 

 

なお、産業医は医師ならば誰でもなれるというわけではありません。厚生労働省の一定の条件を満たした医師でなければ、産業医にはなれません。


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2016年1月26日 コメントは受け付けていません。 予防